A判定が出た日、親はどう振る舞う?――模試の結果が「良すぎた」ときこそ気をつけたい3つのこと

模試の結果が悪かったときの声かけについては、よく話題になります。でも実は、結果が「良すぎた」ときの振る舞いに迷う親御さんも少なくありません。この記事は、「A判定が出て嬉しいけれど、これで気が緩んでしまわないか心配」「どこまで一緒に喜んでいいのか分からない」と感じている保護者の方に向けて、判定が良かった日の家庭での過ごし方を考えるものです。

嬉しい結果は、もちろん素直に嬉しい。それなのに、心のどこかで「油断させてはいけない」という気持ちが顔を出して、声かけがぎこちなくなってしまう――そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。

A判定の日、家庭で起こりがちなこと

A判定の日、家庭で起こりがちなこと

良い判定が返ってきた日、家庭にはいくつかの「空気の変化」が起こりがちです。一つは、親のほうが先に安心してしまうこと。「この調子なら大丈夫そうね」という言葉は、本人へのねぎらいのつもりでも、子供には「もう頑張らなくていい」というメッセージとして届くことがあります。

もう一つは、その逆です。喜ぶ子供を前に「でも油断しちゃダメよ」と釘を刺してしまうケース。せっかくの達成感に水を差された子供は、「結局、何をやっても認めてもらえない」と感じてしまうかもしれません。良い結果の日は、実は親の言葉選びがいちばん難しい日でもあるのです。

どちらの反応も、子供を思う気持ちから出ているものです。だからこそ、「喜びすぎても、引き締めすぎてもいけない気がする」という板挟みに、多くの親御さんが悩まれます。

「良い判定」は何を意味していて、何を意味していないか

「良い判定」は何を意味していて、何を意味していないか

振る舞いを考える前に、判定そのものの性質を整理しておくと、家庭での会話が落ち着きます。模試の判定は、「その時点で、その母集団の中で、どの位置にいたか」を示すものです。合格を約束するものではありませんが、これまでの努力が形になった証であることも確かです。

確認しておきたいのは、模試の母集団です。受験者層が本番と異なる模試では、判定が実力以上に良く出ることがあります。特に高3の前半は、まだ既卒生が本格的に参戦していなかったり、志望者全体が出揃っていなかったりするため、夏以降に判定が下がる現象は珍しくありません。これは実力が落ちたのではなく、母集団が変わっただけ、ということが多いのです。

この構造を親が知っておくと、二つの場面で役に立ちます。今は「良い判定でも合格までは距離がある」と冷静でいられますし、将来もし判定が下がっても「そういうものだ」と受け止められます。判定の上下に家庭ごと揺さぶられないための、いわば予防接種のようなものです。

親が気をつけたい3つのこと

親が気をつけたい3つのこと

そのうえで、判定が良かった日に親が意識したいことを3つ挙げてみます。

1つ目は、まず一緒に喜ぶこと。意外に思われるかもしれませんが、これがいちばん大切です。「頑張った結果が出たね」と、努力の過程を認める言葉で喜びを共有する。釘を刺すのはその日でなくて構いません。達成感は次の努力の燃料になります。ここで水を差すと、燃料ごと失われてしまうことがあります。

2つ目は、「もう大丈夫」という言葉を急がないこと。安心を口にしたくなる気持ちは自然なものですが、「大丈夫」の判断は本人と塾・学校に委ねて、親は「今の調子を続けられる環境」を整えることに軸足を置く、という分担を意識すると気が楽になります。

3つ目は、次の目標の話は本人から出るのを待つこと。「次はもっと上を目指せるんじゃない?」と親から畳みかけると、せっかくの成功体験が「終わりのない要求」に変わってしまうことがあります。良い結果のあと、子供のほうから「次はここを伸ばしたい」と話してくれることは少なくありません。その言葉が出るまで、少し待ってみる。待つこともサポートの一つの形です。

「油断しているように見える」とき、どうするか

それでも、良い判定のあとに子供の勉強時間が目に見えて減ると、心配になりますよね。「ほら、油断してる」と言いたくなる場面です。

ただ、模試の直後に一時的にペースが落ちるのは、ある程度自然なことでもあります。緊張が解けて、少し休む時期が必要な子もいます。数日から1週間ほどの揺り戻しであれば、見守る範囲と考えてよいケースが多いように思います。

気になる状態が長く続くようであれば、正面から「油断するな」と言うより、「次の模試はいつだっけ?」「夏の計画はどうなってる?」と、スケジュールの話として軽く触れるほうが、子供は受け取りやすいものです。それでも家庭内だけでは難しいと感じたら、第三者の視点を入れることも一つの方法です。勝つ塾では保護者面談で、模試の結果の読み方やご家庭での関わり方についても一緒に考えていますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:良い結果の日こそ、淡々と次へ

判定が良かった日に親ができることは、まず一緒に喜び、「大丈夫」を急がず、次の話は本人を待つ――この3つに尽きるのかもしれません。良い結果は、ゴールではなく現在地の確認です。でも同時に、子供が積み上げてきたものの証でもあります。

その両方を認めながら、家庭はいつも通りの場所であり続ける。浮かれすぎず、引き締めすぎず、淡々と次へ向かう空気を作れたら、それだけで十分なサポートになっているはずです。