「オープンキャンパスに親はどこまで?」――この夏、子供の”自分で選ぶ力”を育てる親の3つの距離感
この記事は、「この夏、子供のオープンキャンパスに親もついて行っていいのだろうか」と迷っている、高校生のお父さん・お母さんに向けて書いています。ついて行きたい気持ちと、過保護に見られたくない気持ちのあいだで揺れる――そんな親御さんは、決して少なくありません。
6月から夏にかけては、多くの大学がオープンキャンパスを開く季節です。子供が「行ってみようかな」と言い出したとき、あるいは逆に「別に行かなくていい」と言ったとき、親としてどう関わればいいのか。今日は、子供の「自分で選ぶ力」を邪魔しないための、3つの距離感について一緒に考えてみたいと思います。
そもそも親は、ついて行っていいのか

結論から言えば、ついて行くこと自体は、まったく問題ありません。実際、保護者向けの説明会や学食体験を用意している大学も多く、親子で参加することを前提に設計されているプログラムは年々増えています。「親が来るなんて恥ずかしい」と感じる必要はないのです。
ただ一つだけ、心に留めておきたいことがあります。それは、その日の主役はあくまで子供だ、という点です。親が熱心になりすぎて、気づけば親のほうが質問し、親のほうがパンフレットを集め、親のほうが「ここがいい」と盛り上がっている――そんな一日になってしまうことが、実は珍しくありません。ついて行くかどうかよりも、ついて行った先でどう振る舞うか。そこに、親の関わり方の本当の分かれ道があります。
距離感その1:移動と段取りは支え、中身は任せる

遠方の大学であれば、交通手段や宿の手配など、高校生だけでは負担の大きい部分があります。こうした「段取り」の面で親が支えるのは、とても自然なことです。むしろ、ここを丸ごと子供に背負わせてしまうと、肝心の大学を見るエネルギーが残らない、ということもあります。
一方で、当日のキャンパスの中身――どの模擬講義を聞くか、どの学部のブースを回るか、何を質問するか――は、できるだけ子供に任せてみるという選択肢があります。たとえ非効率に見えても、自分で選んで回った経験は、「自分はここで学びたいのか」を考える材料になります。親が組んだ完璧なスケジュールよりも、本人が迷いながら歩いた半日のほうが、記憶に残ることもあるのです。
距離感その2:感想は「聞き役」から始める

帰り道、つい「どうだった?」「あの大学、よさそうだったね」と感想を先に言いたくなります。けれど、親が先に評価を口にすると、子供は自分の感じたことを言い出しにくくなることがあります。「お母さんがいいって言ったから」で進路が決まってしまうのは、できれば避けたいところです。
まずは「どこがいちばん印象に残った?」と、聞き役から始めてみてはどうでしょうか。子供の言葉が出そろってから、「お母さんはこう感じたよ」と一人の感想として添えるくらいがちょうどいい、と感じる親御さんは多いようです。親の意見を消す必要はありません。ただ、順番を一つ後ろにずらすだけで、子供が自分の感覚で大学を選ぶ余地が生まれます。
距離感その3:「行かない」と言う子も、否定しない
なかには「オープンキャンパスなんて行かなくていい」と言う子もいます。親としては不安になりますが、ここで「行かないと決められないでしょう」と押し切ると、かえってかたくなになってしまうことがあります。
行きたがらない背景には、人混みが苦手、まだ志望が定まらず気が重い、部活で時間がない、など本人なりの理由があるものです。まずはその理由に耳を傾けたうえで、「オンライン説明会だけ見てみる」「興味のある一校だけ行ってみる」といった、小さな入り口を一緒に探してみる。無理に全部行かせるより、本人が「ちょっと見てみようかな」と思える形を見つけるほうが、結果的に前に進みやすいものです。
まとめ:選ぶのは子供、整えるのは親
オープンキャンパスは、合否を左右するイベントではありません。けれど、子供が「自分はどこで、何を学びたいのか」を初めて自分の目で確かめる、貴重な機会です。だからこそ、親の役割は「決めてあげること」ではなく、子供が選びやすい環境をそっと整えることなのかもしれません。
とはいえ、親子だけで進路を話していると、どうしても感情が先に立ってしまう日もあります。そんなときは、ご家庭だけで抱え込まず、第三者の視点を入れてみることも一つの方法です。勝つ塾でも保護者面談を通じて、お子さんの志望や性格をふまえた進路の整理をお手伝いしています。この夏の一歩を、ご家族にとって前向きなものにできればと思います。
