「気づけば深夜、部屋からスマホの光」――受験の夏、ゲーム・スマホの家庭ルールを親子で整える3つの視点

この記事は、受験生のお子さんのスマホやゲームの時間が気になりながらも、「取り上げるべきか、見守るべきか」で迷っている親御さんに向けて書いています。頭ごなしに禁止するのも違う気がするし、かといって放っておくのも心配――そんな夏のもやもやを、少しでも整理するお手伝いができればと思います。

夏休みは、まとまった時間が手に入る一方で、生活リズムが崩れやすい時期でもあります。学校というペースメーカーがないぶん、スマホやゲームとの距離感が、そのまま学習時間に直結してしまう。深夜、子供部屋のドアの隙間から漏れるスマホの光を見て、ため息をついた経験がある親御さんは、決して少なくないはずです。

「取り上げる」の前に、一度立ち止まりたい理由

「取り上げる」の前に、一度立ち止まりたい理由

スマホを見ている子供を前にすると、「いいかげんにしなさい」「今すぐやめなさい」という言葉が、つい口をついて出てきます。その気持ちは、とても自然なものです。ただ、力ずくで取り上げる対応は、短期的には効いても、長い受験期を通して見ると、思わぬ副作用を生むことがあります。

一つは、スマホそのものが「親との戦いの道具」になってしまうこと。取り上げられれば取り返したくなり、隠れて使うようになる。すると親はさらに監視を強め、家庭の空気がピリピリしていきます。もう一つは、スマホが受験生にとって、息抜きや友人とのつながり、時には気持ちを立て直す手段にもなっているという側面が見えなくなること。すべてを「敵」とみなすと、対話の入り口を自分から閉じてしまうことがあります。

もちろん、際限なく使わせていいという話ではありません。大切なのは、感情的に取り上げる対応から一歩引いて、「どういう使い方なら家庭として納得できるか」を、子供と一緒に考える姿勢に切り替えることです。禁止ではなく設計へ、と言い換えてもいいかもしれません。

ルールは「親が決めて渡す」より「一緒に作る」

ルールは「親が決めて渡す」より「一緒に作る」

家庭のルールというと、親が条件を決めて子供に守らせるもの、というイメージを持たれるかもしれません。けれど受験生ともなれば、もう幼い子供ではありません。一方的に渡されたルールは「守らされているもの」になりやすく、破ったときの罪悪感も、隠す動機も、どちらも強くしてしまいます。

そこで一つの選択肢として、ルールを親子で一緒に作るという方法があります。たとえば「夜は何時以降スマホを別の部屋に置くか」「勉強中は通知をどうするか」を、子供自身に案を出してもらう。親が思うより厳しい基準を、子供のほうから口にすることも少なくありません。自分で決めたルールは、守る責任も自分に返ってくるからです。

作る際のコツは、「ゼロか百か」で決めないことです。完全禁止はほぼ続きませんし、無制限も現実的ではありません。「平日は寝る1時間前まで」「休憩は1回15分」といった、少し緩めでも続けられる線を探る。そして一度決めたら、うまくいかない日があっても、すぐに「やっぱりダメじゃない」と責めず、月に一度くらい親子で見直す時間を持つ。ルールは固定するものではなく、育てていくものだと捉えると、気持ちが少し楽になります。

親自身のスマホとの距離も、子供は見ている

親自身のスマホとの距離も、子供は見ている

見落とされがちですが、子供は親の言葉以上に、親の行動をよく見ています。「勉強中はスマホを触らないように」と言いながら、食卓で親がずっとスマホを眺めていれば、そのルールの説得力はどうしても弱まります。逆に、親が夜のある時間からスマホを置いて本を読んだり片付けをしたりしていると、それだけで家庭の空気が変わることがあります。

これは「親も我慢しろ」という精神論ではありません。同じ家の中で、スマホとどう付き合うかという文化を、家族みんなで少しずつ作っていく、という発想です。子供にだけ課すルールは反発を生みやすいですが、「この時間は家族みんなスマホを置こうか」という形なら、受け入れやすくなる家庭も多いようです。

それでも、思うようにいかない日は必ずあります。約束した時間を守れず、また深夜まで使ってしまう。そんなとき、親御さんが自分を責めたり、子供を全否定したりする必要はありません。うまくいかない日があるのは、子供が受験というプレッシャーの中で揺れている証でもあります。大切なのは、翌朝に「昨日はどうした?」と穏やかに話せる関係を保っておくことです。

まとめ――禁止ではなく、一緒に整える夏に

スマホやゲームは、取り上げれば解決する問題ではなく、受験期を通して家族で付き合い方を探っていくテーマです。感情的に禁じる前に一度立ち止まること、ルールは子供と一緒に作ること、そして親自身の距離感も含めて家庭の文化として整えること。この3つの視点があるだけで、夏の家庭の空気は、ずいぶん違ってくるはずです。

とはいえ、家庭の中だけで線引きをするのは、時にとても難しいものです。親子だと、どうしても感情が先に立ってしまう場面もあります。そんなときは、ご家庭だけで抱え込まず、第三者の視点を入れることも一つの方法です。勝つ塾では、学習の進み具合とあわせて、生活リズムやスマホとの付き合い方についても保護者面談でご相談を承っています。同じ悩みを抱えるご家庭は本当に多いので、「うちだけが」と気負わずに、気軽に頼っていただければと思います。