オープンキャンパス、親はついていく?――この夏、迷っている家庭に伝えたい『3つの関わり方』と帰り道の会話
この記事は、この夏に予定されているオープンキャンパスを前に「親はついていくべきなのか、それとも子どもだけで行かせたほうがいいのか」と迷っているお父さん・お母さんに向けた記事です。一緒に行く家庭、別行動の家庭、行かない家庭――どれが正解という話ではなく、それぞれの家庭の事情と子どもの性格に合わせた「無理のない関わり方」を整理してみます。
6月から8月にかけて、多くの大学でオープンキャンパスが開催されます。SNSや塾の保護者会で「うちはついていくつもり」「うちは子どもだけで行かせた」といろいろな声が聞こえてきて、自分の家はどうしたらいいのか迷っている方は少なくありません。先に結論を言うと、家庭ごとに正解は違って当然です。大事なのは「親が満足する関わり方」ではなく「子どもの志望校選びにとって意味のある関わり方」を選ぶことです。
「親がついていく」は当たり前ではない――子どもの自立とのバランス

少し前までは「オープンキャンパスは家族行事」のような空気もありましたが、最近は事情が変わってきています。大学側も高校生本人に向けたプログラムを充実させていて、模擬授業や在学生との交流イベントは「親同伴では入りにくい」雰囲気のものも増えました。一方で、保護者向けの説明会(学費・奨学金・就職実績などの話)を別枠で開催する大学も多く、「親は親の動線で情報を取り、子どもは子どもの動線で大学を体感する」というスタイルが現実的になっています。
ここで一度立ち止まりたいのは、「親がついていきたい」と思う気持ちの中身です。心配だから・遠方だから・初めての遠出だから、というのは十分に正当な理由です。一方で、「子どもの選択を自分の目で確かめておきたい」「自分が納得しないと不安」という気持ちが先に立っているとしたら、それは少し意識して整理しておきたいところです。子どもにとってオープンキャンパスは、自分で大学を選び取る最初の「実地体験」でもあるからです。
一緒に行く・別行動・行かない――家庭ごとの3つのパターン

整理すると、家庭の選択肢はおおむね3つに分かれます。それぞれにメリットと注意点があり、優劣はありません。
① 一緒に行って、現地でも一緒に動く……遠方や初めての街、子どもがあまり乗り気でない、体調面の不安がある、といったケースで選ばれる形です。安心感は大きい一方、子どもが在学生や入試担当者に話しかけにくくなる、親の表情を伺いながら大学を見てしまう、という副作用が起きやすいパターンでもあります。
② 現地までは一緒、構内では別行動……最近もっとも増えているスタイルです。行き帰りは一緒、大学に着いたら「14時にこの門で集合」と決めて、構内では子どもは模擬授業や在学生交流、親は保護者向け説明会へ。子どもは自分のペースで大学を体感でき、親は学費・進路実績・寮の有無といった親が気になる情報を集められます。
③ 子どもだけで行ってもらう……近場、学校の友人と一緒に行く、子どもが「ひとりで行きたい」と言っている、というケースに向いた形です。自立を後押しする意味では理想に近いですが、帰宅後の「どうだった?」の聞き方を間違えると、せっかくの体験が「親の品定めの対象」になってしまいます。これは後述します。
どれを選ぶかは、子どもの性格、家庭の事情、その大学までの距離、行ったことのある街かどうか、といった条件で変わります。「周りがどうしているか」より、「うちの子はどのパターンが学びになりそうか」で考えるのがおすすめです。
ついていく場合、親が「やっていいこと・避けたいこと」

一緒に行くと決めた場合、現地での距離感が結果を左右します。やっていいこと・避けたいことを整理しておくと、当日の自分の動きが落ち着きます。
やっていいこととしては、保護者向け説明会への参加、学食やキャンパスの雰囲気を一緒に味わうこと、子どもが質問しているのを少し離れたところから見守ること、帰り道に「気になったこと」を子どもの言葉で話してもらうこと、などが挙げられます。とくに保護者説明会は、学費の総額・奨学金の制度・初年度納入金の納付スケジュールなど、子ども本人には「気が重くて聞きにくい」情報を親が代わりに整理できる貴重な機会です。
逆に避けたいのは、子どもが在学生に質問している横で親が口を挟むこと、入試担当者に対して「うちの子の偏差値で大丈夫ですか?」と本人の前で聞いてしまうこと、模擬授業の感想を「で、ここって受かりそうなの?」とすぐ判定の話に変換してしまうこと、です。どれも親としては当然の心配から出てくる言葉ですが、子どもにとっては「自分の体験を親に評価されている」という感覚を強めてしまい、次の大学訪問のときに気持ちが乗りにくくなります。
帰り道の会話――子どもの本音を引き出す3つの問いかけ
オープンキャンパスでもっとも価値があるのは、実は「帰り道」だと言う在校生・先輩保護者は少なくありません。見学直後の数時間は、子どもの感想がもっとも素直に出てくる時間帯です。ただし、ここでの問いかけ方を少し意識するだけで、引き出せる情報の質が大きく変わります。
おすすめしたいのは、評価ではなく描写を引き出す問いかけです。たとえば「どうだった?」の代わりに「キャンパスで一番印象に残った場所はどこ?」と聞いてみる。「合格しそう?」の代わりに「あの大学で4年間過ごしている自分、想像できた?」と聞いてみる。「先生どうだった?」の代わりに「模擬授業で『今のところ、もう一回聞きたい』って思った瞬間ある?」と聞いてみる。どれも、子どもが体験を言語化するのを助ける問いかけです。
このときに大切なのは、子どもの答えに対して「でも偏差値が……」「学費が高いよね」とすぐに親フィルターを返さないことです。まずはそのまま受け止めて、「ふーん、そこが良かったんだ」と聞き切る。親としての評価や懸念は、別の日に改めて家族で話す時間を作ったほうが、子どもにとっても親にとっても整理しやすくなります。
まとめ――この夏、家庭ごとの「ちょうどよさ」を探す
オープンキャンパスに親がついていくかどうかは、「正解」を当てるテストではありません。子どもの自立を尊重しつつ、家庭としても安心できる「ちょうどいい距離感」を、その都度すり合わせていけば十分です。遠方の大学は同行、近場は子どもだけ、というように大学ごとに形を変えてもいいですし、上の子のときと下の子のときで違うやり方を選んでも問題ありません。
もし家庭だけで判断に迷ったときは、第三者の視点を入れてみるのも一つの方法です。勝つ塾でも、保護者面談やオープンキャンパスの計画相談を通して、ご家庭ごとの状況に合わせたサポートをしています。志望校選びは家族の大事な節目です。お父さん・お母さん自身が、無理せず、納得できる関わり方を見つけてもらえたらと思います。
