共通テスト地理Bを5月から固める3ステップ:系統地理・地誌・統計データで高3が安定8割を取る
共通テスト地理Bは「暗記量が少なく短期間で伸びる」と言われる一方で、5月の段階から手をつけずに放置していると、夏明けの模試で60点台から動かない、というケースが少なくありません。地理Bは知識のインプットよりも、系統地理の枠組みを使って初見の資料・統計を読み解く力が問われる科目です。5月から正しい順番で組み立てれば、共通テストで安定して8割を取れる土台を秋までに作れます。
この記事では、共通テスト地理Bを5月から仕上げるための3ステップ(系統地理→地誌→統計データ)を、高3生が今日から実行できる手順に分解して解説します。理系で社会1科目を地理Bで受ける受験生も、文系で日本史・世界史と迷っている受験生も、まずこの記事の手順で5月の30日を使ってみてください。
ステップ1:系統地理を「枠組み」として5月中にインストールする

共通テスト地理Bの土台は系統地理です。地形・気候・農業・工業・人口・都市・民族・宗教といったテーマごとの一般原理を、まず5月中にひと通り頭に入れます。系統地理は「個別の事実暗記」ではなく「世界中で繰り返し使える因果の枠組み」として覚えるのがポイントです。
系統地理で押さえる7つの軸
地形(プレート・大地形・小地形)、気候(ケッペンの気候区分と植生・土壌)、農業(自然条件と社会条件、自給的・商業的・企業的の3分類)、工業(立地条件と工業地域の発展段階)、人口(人口転換・人口ピラミッド)、都市(都市システムと都市問題)、民族・宗教・言語の7つを、それぞれ「原理→具体例2〜3個」の形で整理します。たとえば「地中海性気候→夏乾燥・冬湿潤→オリーブ・コルクガシ→イタリア・スペイン・カリフォルニア」というように、因果と代表例をセットで覚えます。
5月中の進め方
市販の網羅型講義系参考書(『村瀬の地理Bをはじめからていねいに』『瀬川聡の共通テスト地理Bが面白いほどとれる本』など)を1冊決めて、5月の30日で全範囲を1周します。読み流すのではなく、章末ごとに「今読んだテーマを白紙に図解で再現できるか」を必ず確認してください。再現できない章は付箋を貼り、翌日その章だけ再読する。これを30日続けるだけで、6月時点の地理Bの問題の見え方が変わります。
ステップ2:地誌は「系統地理の応用問題集」として使う

系統地理の1周が終わったら、6月以降は地誌(地域ごとの学習)に進みます。ここで多くの受験生が「地誌=国名と特産品を暗記する科目」と誤解しますが、共通テスト地理Bの地誌問題は系統地理の知識を地域に当てはめて読み解く問題がほとんどです。地誌は新しい暗記単元ではなく、系統地理の応用問題集として扱うのが正解です。
地域別に押さえる4つの観点
各地域(東アジア・東南アジア・南アジア・西アジア・アフリカ・ヨーロッパ・ロシア・アングロアメリカ・ラテンアメリカ・オセアニア・日本)について、最低でも次の4観点を整理します。①自然環境(地形・気候)、②産業(農業・鉱工業・近年の変化)、③人口・民族・宗教、④地域内の特徴的な国2〜3カ国の比較です。たとえば東南アジアなら、モンスーン気候と稲作、ASEAN域内分業、華僑ネットワーク、マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナムの工業化段階の違い、といった具合に整理します。
地誌は「系統地理に戻る」癖をつける
地誌の問題で出てくる事実は、必ず系統地理のどの原理に対応しているのかを意識します。たとえば「アフリカで人口爆発が起きている」という事実は、人口転換の第2段階(多産少死)に対応します。「サハラ以南で農業生産性が上がりにくい」という事実は、ラトソル土壌の貧栄養性と関係します。地誌で新しい事実に出会うたびに系統地理に戻る癖をつけると、知識の定着率が一気に上がります。
ステップ3:統計データと資料問題は「読み方の型」で対応する

共通テスト地理Bの最大の特徴は、初見の統計表・グラフ・地形図・写真・分布図を読み解かせる問題が半分以上を占めることです。ここで点を落とすと、知識があっても8割には届きません。資料問題は「気合で読む」のではなく、資料の種類ごとに決まった読み方の型を身につけて対応します。
統計表は「上位3カ国の組み合わせ」で見抜く
農産物・鉱産資源・工業製品・貿易などの統計表が出たら、まず上位3カ国の組み合わせに注目します。たとえば「中国・インド・アメリカ」なら大量生産が成り立つ国→小麦・米・綿花などの可能性、「サウジアラビア・ロシア・アメリカ」なら原油の可能性、「オーストラリア・ブラジル・中国」なら鉄鉱石の可能性、というように、上位国の組み合わせから品目を逆算する練習を10題分こなすだけで、統計問題への当たり方が大きく変わります。
グラフ・地形図・写真の3つの型
気候グラフ(雨温図・ハイサーグラフ)は「気温の年較差」と「降水の季節分布」で気候区を絞り込み、人口ピラミッドは「裾の広がり」と「中年層のへこみ」で経済発展段階と歴史的事件を読み取ります。地形図は「等高線の間隔と尾根・谷の判別」「土地利用記号(針葉樹林・果樹園・水田など)」を最低限身につけ、写真問題は「植生・建築様式・人々の服装」から地域を推定します。それぞれ過去問演習10題分で型は身につきます。
過去問演習は週2回・30分単位で
5月の段階では、まず共通テスト本試・追試の地理B大問1つ分(10〜13分)を週2回解いてみてください。解いたあとは必ず「なぜその選択肢が正解で、他の3つがなぜ違うのか」を1問ずつ系統地理の知識に戻して説明できるかを確認します。この振り返りに15分かけることで、過去問1セットが知識のインプットと統計読解の練習の両方を兼ねた高密度教材に変わります。
まとめ:5月の30日で地理Bの土台を作り切る
共通テスト地理Bは、系統地理という枠組み・地誌の地域知識・統計データの読解という3層構造で出来ています。5月のうちに系統地理1周→6月に地誌→7月以降に資料演習という順番を守るだけで、夏の模試で70点台、秋の模試で80点台、本番で安定8割という現実的なロードマップが見えてきます。
勝つ塾では、共通テスト地理Bを含む各科目の学習設計を、生徒一人ひとりの志望校と現在地に合わせて個別に組み立てています。地理Bの優先順位や週ごとの分量設計に迷ったら、5月のうちに学習計画の見直しを始めてみてください。
