英文法を9月に総点検する3ステップ:頻出分野の絞り込み・誤答の言語化・長文への接続で高3が秋の英語を底上げする
結論から言えば、9月の英文法は「文法問題集をもう1周する」のではなく、頻出分野に絞って穴を特定し、間違いの理由を言葉にし、長文読解に接続するという順番で総点検するのが最も効率的です。文法は単独で得点を稼ぐ科目というより、読解・英作文の土台として効いてくるからです。
夏に単語と長文に時間を割いてきた高3生ほど、9月に入ってから「文法が抜けている気がする」と不安になります。ただ、その不安のまま分厚い文法問題集を最初から解き直すと、すでにできる分野に時間を使ってしまい、秋の演習時間を圧迫します。ここでは、限られた時間で英文法を仕上げ直すための3ステップを整理します。
ステップ1:頻出分野を絞り込み、穴の場所を特定する

英文法の学習でまず決めるべきは「どこをやらないか」です。文法項目は数十に分かれますが、入試で繰り返し問われる領域はある程度偏っています。
優先度の高い分野から確認する
共通テストでは独立した文法問題は出題されませんが、私大の客観問題や国公立の英作文・和訳では文法知識が直接得点に関わります。志望校の出題形式を確認したうえで、まずは次のような「読解にも英作文にも効く」分野から点検すると効率的です。
- 時制・態:完了形の使い分け、受動態の書き換え
- 準動詞:不定詞・動名詞・分詞(分詞構文を含む)
- 関係詞:関係代名詞と関係副詞の区別、非制限用法
- 仮定法:基本3パターンと倒置・if の省略
- 比較:原級・比較級・最上級の書き換えと慣用表現
- 接続詞・前置詞:意味の似た語の使い分け
「解き直し」ではなく「診断」から始める
いきなり通し演習をするのではなく、手持ちの文法問題集の各章から数問ずつ抜き出して解く「診断テスト」を作ってみてください。1章あたり3〜5問、全体で60〜80問程度を1〜2時間で解けば、どの分野が弱いかがかなりはっきりします。
正答率が8割を超えた分野は、いったん後回しでかまいません。5割前後、あるいはそれ以下の分野が、9月に集中して埋めるべき穴です。この絞り込みができるかどうかで、10月以降に使える演習時間が変わってきます。
ステップ2:誤答の理由を言葉にして残す

文法問題で間違えたとき、正解の選択肢に印をつけて次に進むだけでは、同じ形式の問題でまた迷います。必要なのは「なぜその選択肢を選んだのか」「なぜそれが誤りなのか」を自分の言葉で説明することです。
1問につき3行のメモを残す
ノートやカードに、次の3点を短く書き出す形が扱いやすいでしょう。
- 問われている文法事項(例:分詞構文の意味上の主語)
- 自分が選んだ理由(例:主語が同じだと思い込んだ)
- 次に同じ形を見たときの判断基準(例:分詞の前に名詞があるか確認する)
3行目が最も重要です。「覚える」ではなく「次にどう判断するか」を書くことで、知識が手順に変わります。解説を読んで納得した気になっても、判断基準の形に落とし込めていなければ、本番では同じ迷い方をします。
正解した問題も「根拠あり」か確認する
選択肢が4つあれば、勘でも4分の1は当たります。解いた直後に「なぜこれが正解か説明できるか」を自問し、説明できなかった問題は正解でも印をつけておいてください。この「たまたま正解」を放置すると、模試ごとに得点が乱高下する原因になります。
ステップ3:文法知識を長文読解に接続する

文法問題集で正答できても、長文の中で同じ構造が出てきたときに処理できなければ、得点にはつながりません。9月以降は、文法を「問題を解くための知識」から「英文を読むための道具」へ切り替えていく段階です。
読んだ長文から構造を1文抜き出す
長文演習をしたあと、その中から構造がつかみにくかった英文を1〜2文選び、次の観点で分解してみてください。
- 主語(S)と動詞(V)はどこか
- 修飾しているカタマリはどこからどこまでか
- そのカタマリは何によって作られているか(関係詞・分詞・不定詞・接続詞など)
この作業を毎日1〜2文ずつ積み重ねると、文法項目と実際の英文が結びつきます。分詞構文や関係詞の後置修飾は、問題集の短文では気づけても、長文の中では見落としやすい典型例です。
英作文で使える形として持ち直す
二次試験で和文英訳や自由英作文が課される場合、文法は「認識できる」だけでなく「自分で書ける」水準が必要です。仮定法や比較の慣用表現など、書くときに使う頻度が高い項目は、例文ごと口に出して再現できるかを確認しておくと、秋以降の英作文練習がスムーズになります。
9月の英文法・4週間の進め方の例
目安として、1日あたり30〜45分を英文法に充てる場合の配分例です。志望校の出題形式や現在の到達度に応じて調整してください。
- 1週目:診断テストで弱点分野を特定し、優先順位を決める
- 2〜3週目:弱点分野を1日1テーマずつ演習し、誤答メモを蓄積する
- 4週目:誤答メモだけを見返して再テストし、長文演習の中で構造分解を行う
重要なのは、9月中に「文法だけの時間」を終わらせる設計にしておくことです。10月以降は過去問演習が中心になるため、文法は長文や英作文の中で維持していく形に移行するのが現実的です。
まとめ:やる範囲を減らすほど、秋の英語は伸びやすい
英文法の総点検で成果を分けるのは、教材の量ではなく絞り込みの精度です。診断で穴を特定し、誤答の理由を判断基準の形で残し、長文の中で使えるところまで持っていく——この3ステップなら、9月の限られた時間でも英語全体の土台を立て直せます。
まずは今週、手持ちの文法問題集から60問程度の診断テストを作ってみてください。「どこができていないか」がわかった時点で、9月の英語学習の設計はほぼ決まります。
勝つ塾では、志望校の出題形式に合わせて英語の学習計画を個別に設計しています。文法の優先順位づけや秋以降の演習配分について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。
