英作文を秋から得点源に変える3ステップ:型のストック・和文和訳・添削サイクルで高3が二次試験の減点を減らす
英作文は「書けるかどうか」ではなく、使い慣れた型をいくつ持っているかで得点が決まりやすい分野です。秋から始めるなら、①短い型を30文ストックする、②日本語を英語に訳しやすい形へ言い換える(和文和訳)、③添削を受けて同じミスを消す——この3ステップを週2回・30分ずつ回すのが、限られた時間で最も無駄が少ない進め方です。
英作文は多くの受験生が「最後に回す分野」です。しかし配点は決して小さくなく、国公立の二次試験では大問1つ分(20〜50点程度)を占める大学も珍しくありません。しかも英作文は、単語や文法の知識が完璧でなくても、書き方の設計を変えるだけで点が動きます。9月からでも十分に間に合う理由はここにあります。
秋の英作文でつまずく3つの原因

まず、なぜ英作文が伸びないのかを整理しておきます。原因が分かれば、やるべきことは自然に決まります。
原因1:日本語が難しすぎるまま訳そうとしている
「彼の発言は的を射ていた」「技術の発展が社会のあり方を変えた」——こうした日本語をそのまま英語にしようとすると、知らない単語にぶつかって手が止まります。英作文でつまずく最大の原因は、英語力ではなく日本語の処理にあることが多いのです。
原因2:書いたまま放置していて、ミスが固定化している
英作文は自己採点が難しい分野です。冠詞の抜け、時制のズレ、主語と動詞の不一致といったミスは、自分では気づけません。書きっぱなしにすると同じ間違いを何十回も繰り返すことになり、演習量が得点に結びつきません。
原因3:本番で使える表現のストックが少ない
自由英作文で意見を述べるとき、毎回ゼロから文を組み立てていては時間が足りません。「私は〜に賛成だ」「その理由は2つある」「たとえば〜」といった、議論を進めるための定型表現を持っていない状態では、内容以前に文章が前に進まないのです。
ステップ1:使える「型」を30文だけストックする

最初にやるのは、暗記する英文を絞り込むことです。目安は30文。これは1日1文を1か月で覚えきれる量で、しかも自由英作文の骨格を作るには十分な数です。
ストックすべき型の内訳
- 意見表明(5文):賛成・反対、条件付き賛成の言い回し
- 理由づけ(5文):理由を並べる、根拠を示す、原因と結果をつなぐ
- 具体例(5文):例示、たとえ話、データの引用
- 譲歩と反論(5文):「確かに〜だが」の型
- まとめ(5文):結論の再提示、提案
- 汎用の構文(5文):比較、仮定法、関係詞を含む短文
選ぶ英文は、志望校の過去問の模範解答や、使っている英作文の参考書の例文から取るのが確実です。新しく探すより、すでに手元にある教材から抜き出すほうが早く、内容の信頼性も高くなります。
覚え方は「書いて確認」まで含める
音読だけで覚えた気になるのは危険です。英作文は手で書く試験なので、日本語を見て英語を書き、模範と照合するところまでを1セットにしてください。1文あたり2〜3分。10文でも30分以内に収まります。
ステップ2:和文和訳で「訳しやすい日本語」に言い換える

和文英訳でも自由英作文でも、実力差が出るのは英語に変換する前の段階です。難しい日本語を、自分の知っている英語で表現できる日本語に置き換える作業——これを一般に和文和訳と呼びます。
言い換えの3つの方向
- 主語を人にする:「彼の発言は的を射ていた」→「彼は正しいことを言った」→ He said something right.
- 抽象語を具体語にする:「技術の発展」→「技術がより良くなること」→ that technology becomes better
- 一文を二文に割る:長い修飾を含む文は、無理に一文にまとめず、接続詞で二文に分ける
この作業は英語を書く前に、問題用紙の余白へ日本語で書き出すのがコツです。頭の中だけで処理しようとすると、結局は難しい日本語のまま英語にしようとしてしまいます。
練習の進め方
過去問や問題集の和文英訳を1問選び、まず「言い換えた日本語」だけを書きます。英語には訳しません。これを5問続けてから、まとめて英語にします。言い換えの工程だけを切り出して練習することで、本番でも自然に手が動くようになります。
ステップ3:添削を受けて「同じミス」を消していく
英作文で最も費用対効果が高いのが添削です。ただし、添削は受けただけでは意味がありません。返ってきた答案の使い方までを設計しておく必要があります。
添削後にやること
- 指摘を分類する:文法ミス/語法ミス/内容不足/論理の飛躍の4つに分ける
- ミスノートに1行で記録する:「可算名詞の複数形忘れ」「時制の一致」など、原因を短く言語化する
- 模範解答を写して覚える:自分が書けなかった表現は、ステップ1の30文に追加する
2〜3回添削を受けると、指摘が同じ項目に集中していることに気づきます。自分のミスは、たいてい3〜5種類に収まります。そこさえ潰せば、答案の印象は大きく変わります。
添削を受けられる場所がない場合
学校の英語科の先生に週1回お願いする、塾や通信添削を使う、といった方法があります。それも難しい場合は、模範解答と自分の答案を1文ずつ並べて比較し、違いを書き出すだけでも効果はあります。完全な代替にはなりませんが、放置するよりはるかに前進します。
週2回・30分から始める英作文の回し方
秋以降は共通テスト対策も並行するため、英作文だけに時間は割けません。以下のように、他教科の合間に差し込める形にしておくのが現実的です。
- 月・木(各30分):型の暗記10文+書いて確認
- 土(40分):和文英訳2問+自由英作文1問を実際に書く
- 日(20分):添削答案の見直しとミスノートの更新
週合計で2時間ほど。この量を12月まで続ければ、およそ15週で型は150回以上復習でき、答案は40本前後蓄積されます。直前期に「英作文に手をつけていない」という状態を避けるには、これで十分です。
共通テスト後に慌てないために
共通テストが終わってから二次対策を始めると、英作文に割ける時間は2週間程度しかありません。その時期に型の暗記から始めるのは負担が大きく、他科目の演習時間も圧迫します。秋のうちに土台を作っておくことの意味は、直前期の選択肢を増やせる点にあります。
まとめ:英作文は「準備量」で差がつく
英作文は、書く力を一から鍛える分野というより、準備したものを本番で正確に取り出す分野です。今回の3ステップを整理すると次のようになります。
- 型を30文ストックする——意見・理由・具体例・譲歩・まとめ・汎用構文を各5文
- 和文和訳で言い換える——主語を人に、抽象語を具体語に、一文を二文に
- 添削でミスを潰す——指摘を分類し、ミスノートで同じ失点を繰り返さない
まずは今週、志望校の過去問から英作文の問題を1問だけ解いてみてください。書けなかった表現がそのまま、あなたが最初に覚えるべき型になります。
勝つ塾では、英作文の答案を1枚ずつ確認しながら、志望校の出題形式に合わせた対策を個別に組み立てています。書いたものを見てもらう相手がいない、という段階で止まっている場合は、一度ご相談ください。
