総合型選抜の志望理由書を5月から書き始める3ステップ:自己分析・学部研究・原稿構成で高3が秋の出願に間に合わせる

総合型選抜の出願は早ければ9月、多くの大学が10〜11月にかけて締め切ります。志望理由書の完成度を決めるのは、出願直前の数週間ではなく5月から夏休みまでにどれだけ「材料」を集められるかです。本記事では、自己分析・学部研究・原稿構成の3ステップで、5月から動き出して秋の出願に余裕を持って間に合わせる進め方を解説します。

ステップ1:自己分析で「自分の軸」を3つの言葉に絞る(5月〜6月)

ステップ1:自己分析で「自分の軸」を3つの言葉に絞る(5月〜6月)

志望理由書で最も多い失敗は、書き始めてから「自分が何をしたいのか分からない」と止まってしまうことです。原因は、自己分析を飛ばしていきなり志望動機を書こうとするからです。5月〜6月の前半は、書く前に「素材」を集める期間と捉えてください。

具体的に何をするか

ノートを1冊用意し、以下の3つの問いに、それぞれA4で1ページずつ書き出していきます。完璧な文章にする必要はなく、思いついた順に箇条書きで構いません。

1つ目は「これまでに時間を使ってきたこと」。部活、委員会、ボランティア、読書、習い事、家庭での役割など、長時間取り組んできたことを5〜10個書き出します。2つ目は「強い感情が動いた経験」。嬉しかった・悔しかった・憤りを感じた出来事を、できるだけ具体的なエピソードで書きます。3つ目は「他人から評価されたこと」。先生・友人・家族から言われた言葉を思い出します。

3ページ書き終わったら、共通するキーワードを3つに絞ります。たとえば「人の話を聞くのが好き」「データを整理して伝えるのが得意」「地域の課題に関心がある」のような形です。この3つが、あなたの志望理由書を貫く「軸」になります。

ステップ2:学部研究で「その大学でなければならない理由」を3層で集める(6月〜7月)

ステップ2:学部研究で「その大学でなければならない理由」を3層で集める(6月〜7月)

志望理由書のもう一つの定番失敗が、「貴学の自由な校風に惹かれ」「貴学の充実したカリキュラム」など、どの大学にも当てはまる文言で埋めてしまうことです。出願先の大学・学部を本気で調べていないと、評価者にはすぐ伝わってしまいます。

3層で情報を集める

1層目は「学部のディプロマ・ポリシーとカリキュラムマップ」。大学公式サイトに必ず掲載されています。卒業時にどんな力を身につけてほしいと大学が考えているか、そのために1〜4年でどんな科目を配置しているかを読み込みます。ここから「自分が伸ばしたい力」と一致するキーワードを拾います。

2層目は「教員の研究テーマ」。学部・学科のサイトから教員一覧を見て、シラバスや研究室ページに目を通します。「○○先生の△△という研究テーマに関心がある」「○○ゼミでの△△の実践に取り組みたい」と書けると、志望理由書の説得力が大きく変わります。最低でも3名の教員名と研究内容をメモしておきます。

3層目は「卒業生の進路と在校生の活動」。大学公式サイト・SNS・オープンキャンパスのレポートなどから、実際にその学部の学生が何をしているかを集めます。学生インタビューや学生プロジェクトの記事は、自分が入学後にどう動きたいかを具体的にイメージするのに役立ちます。

この3層を集めると、「貴学の○○というカリキュラムで、○○先生の△△に取り組み、卒業後は○○のような道に進みたい」という、固有名詞の入った志望理由が書けるようになります。

ステップ3:原稿構成は「過去→現在→未来」の3段で固める(7月〜8月)

ステップ3:原稿構成は「過去→現在→未来」の3段で固める(7月〜8月)

素材が集まったら、原稿の構成に入ります。志望理由書の構成は色々な型がありますが、初めて書く人ほど「過去→現在→未来」のシンプルな3段構成から入るのが書きやすく、評価者にも伝わりやすい流れです。

各段で書く内容

過去(全体の3割)は、ステップ1で見つけた「軸」と結びつく原体験を1〜2つに絞って書きます。複数のエピソードを並べると印象が薄まるので、最も語れる1つを深掘りします。「いつ・どこで・誰と・何があり・自分は何を感じたか」を具体的に書くことで、抽象的な志望動機ではなく、自分にしか書けない文章になります。

現在(全体の2割)は、過去の体験を踏まえて今取り組んでいる学習・活動・関心を書きます。「だから私は今、こういう本を読み、こういう活動に参加し、こういう問題意識を持っている」とつなげることで、過去から現在までの一貫性が生まれます。

未来(全体の5割)は、志望理由書の中心です。ステップ2で集めた学部の固有情報を使い、「貴学の○○で○○を学び、○○先生の○○に取り組み、卒業後は○○として社会に関わりたい」という流れで書きます。未来の話だからこそ、大学固有の情報がなければただの夢物語になってしまいます。ここに3層で集めた情報を最も投下する場所だと考えてください。

下書きは早く・推敲は何度も

7月のうちに第1稿を最後まで書き切ることを優先します。完璧を目指して書き始められないのが一番危険です。第1稿が出来上がったら、夏休み中に学校や塾の先生に読んでもらい、最低3回は推敲を重ねてください。読み手の指摘を反映するたびに、文章の説得力は階段状に上がっていきます。

5月から動くことで生まれる「3つの余裕」

5月から志望理由書の準備を始めると、夏直前から書き始める人と比べて、3つの大きな余裕が生まれます。1つ目は素材の豊かさ。自己分析の時間が長いほど、自分の軸を表現する言葉が磨かれます。2つ目は大学研究の深さ。オープンキャンパスや学部説明会に複数回参加し、教員と直接話せる機会も増えます。3つ目は推敲の回数。出願2週間前に第1稿を書き始める人には絶対に到達できない完成度に届きます。

総合型選抜は、一般選抜と並行して準備するのが基本です。志望理由書の準備が早く進めば、その分、夏休み以降の学力向上に充てる時間も増えていきます。

まとめ:5月のうちに「自己分析ノート」と「大学研究ノート」を1冊ずつ用意する

総合型選抜の志望理由書は、出願直前に勢いで書くものではなく、5月から少しずつ素材を貯めて、夏に書き上げて、秋に磨き込むものです。今月のうちに、自己分析ノートと大学研究ノートを1冊ずつ用意し、週に2〜3時間でも書き溜める時間を確保してください。秋の自分が、必ず感謝するはずです。

勝つ塾では、志望理由書の素材集めから原稿の添削まで、個別指導の中で一緒に進めていきます。総合型選抜と一般選抜を両立させたい高3生は、ぜひ一度ご相談ください。