共通テスト「情報Ⅰ」を5月から固める3ステップ:プログラミング・データ活用・情報デザインで高3が安定8割を取る
結論:共通テスト「情報Ⅰ」は、出題範囲が「情報社会・情報デザイン」「コミュニケーションとネットワーク」「データの活用」「アルゴリズムとプログラミング」の4分野に整理されており、配点の重心はプログラミングとデータ活用にあります。5月から始めるなら、まず教科書1周で全体像を掴み、夏までにプログラミング(共通テスト用擬似言語)の読解力を仕上げ、秋に過去問・予想問題で時間配分を整える3ステップ設計で、安定8割が現実的な目標になります。
2025年度(2025年1月実施)から国立大学を中心に「情報Ⅰ」が共通テストの正式科目として加わりました。新課程の中でも参考書・過去問の蓄積が他科目より薄く、対策の出遅れがそのまま得点差につながりやすい科目です。一方で、出題範囲は教科書で完結しており、英数のような大量の演習を必要としません。「最後にやればいい」ではなく「早めに着手して、薄く長く回す」ほうが効率がよい科目だと押さえてください。
Step1:5月〜6月に教科書1周で「4分野の地図」を作る

最初にやるのは、共通テスト「情報Ⅰ」の出題範囲を頭の中に地図として描くことです。範囲は大きく次の4つに分かれます。
4分野の概観
- 情報社会と情報デザイン:知的財産権、個人情報、メディアリテラシー、情報デザインの基本原則など。暗記中心で得点しやすい分野。
- コミュニケーションとネットワーク:プロトコル、IPアドレス、暗号化、圧縮、文字コード、進数変換など。計算と用語の両方が問われる。
- データの活用:度数分布、相関、回帰、箱ひげ図、データベース、シミュレーションなど。数学Ⅰの「データの分析」と内容が重なる部分が多い。
- アルゴリズムとプログラミング:共通テスト独自の「擬似言語(DNCL)」を使った出題。配列・繰り返し・条件分岐・関数の読み取りが中心。
5〜6月は、まず教科書を1周通読し、各分野の「キーワードと典型例」をノート1〜2ページにまとめます。問題演習はまだ深く入らず、「全体としてこの科目で何が問われるのか」を体感することを優先してください。新課程教科書は学校で配布されているはずなので、新たに参考書を買う前にまず教科書を使い切ることが最短ルートです。
5月のミニ目標
具体的には、以下を5月末までに終わらせます。
- 教科書を最後まで1周読み終える(毎日20〜30分×2週間で十分)
- 4分野ごとに、用語マップを1ページずつ作る
- 「2進数 ⇔ 10進数 ⇔ 16進数」の変換だけは即答できるようにしておく
Step2:7月〜9月に擬似言語(DNCL)の読解力を仕上げる

共通テスト「情報Ⅰ」最大の山が、独自の「擬似言語」によるプログラミング読解問題です。配点も大きく、ここで安定して8割以上を取れるかどうかが全体の得点を左右します。Pythonなど他言語の経験があっても、共通テスト用擬似言語の記法に慣れていないと表面的な読解で詰まります。
擬似言語で押さえるべき要素
夏の間に、次の要素を「コードを見た瞬間に意味が浮かぶ」レベルまで上げます。
- 変数代入と配列:「←」による代入、配列の添字、要素数の数え方
- 条件分岐:「もし〜ならば」「そうでなければ」の入れ子構造を追えるか
- 繰り返し:「〜の間繰り返す」「〜について繰り返す」の終了条件を見抜けるか
- 関数の定義と呼び出し:引数と戻り値の流れを図に書けるか
- 典型アルゴリズム:最大値探索・線形探索・カウント・合計・平均・並び替えの素朴な実装パターン
推奨される演習量
市販の共通テスト「情報Ⅰ」対策問題集(教科書出版社や大手予備校の薄手のもので十分)を1冊決め、夏休みの間に2周します。1周目はじっくり、2周目は時間を測って解くと、9月時点で擬似言語の壁を越えられます。「読めるけど時間が足りない」状態は、読解の自動化が足りないサインです。同じ問題を繰り返し解いて、目で追うだけで処理が頭に入る状態を作ります。
データ活用分野と並行する
同じ夏に「データの活用」分野も並行で固めます。こちらは数学Ⅰ「データの分析」の延長線にあり、相関係数・回帰直線・箱ひげ図など、数学の復習と一緒に回せます。データベース(リレーショナル型の基本操作)とシミュレーション(乱数を使った試行)は、教科書の例題レベルで十分です。
Step3:10月〜本番に過去問・予想問題で時間配分を整える

10月以降は、共通テスト本番形式(60分・100点)の演習に切り替えます。「情報Ⅰ」は1問あたりの読解量が多く、時間配分を体に入れておかないと、最後の大問で時間切れになりがちです。
時間配分の目安
本番形式の1つの目安が次の配分です(あくまで標準的な目安で、自分の得意分野に合わせて調整してください)。
- 大問1(情報社会・情報デザイン):10〜12分
- 大問2(ネットワーク・データ活用):15〜18分
- 大問3(プログラミング前半):12〜15分
- 大問4(プログラミング後半・データ活用):15〜18分
- 見直し:3〜5分
過去問・予想問題の使い方
「情報Ⅰ」は本試験の蓄積がまだ少ない科目です。だからこそ、大学入試センターの試作問題・サンプル問題、各社の予想問題集を「全部やる」気持ちで取り組みます。1回分を解いたら、必ず次の3点を振り返ります。
- どの分野で時間を使いすぎたか
- 擬似言語で詰まった箇所はどのパターンだったか(条件分岐・繰り返し・配列処理など)
- 知識問題で取りこぼした用語は何か(用語マップに追記)
得点が伸び悩んだら、ほぼ確実にStep2の擬似言語の読解力が原因です。新しい問題集に手を広げるより、夏に使った問題集を3周目に戻すほうが効果的です。
まとめ:情報Ⅰは「早く着手・薄く長く」が王道
共通テスト「情報Ⅰ」は、新課程で最も「対策格差」が出やすい科目です。一方で、出題範囲は教科書で完結し、必要な演習量も他科目に比べて少なくて済みます。5月から月10〜15時間ほどを継続して投下するだけで、本番までに安定8割は十分に届く射程です。
勝つ塾では、共通テスト「情報Ⅰ」対策を含めて、生徒一人ひとりの志望校・科目バランスに合わせた個別の学習設計を行っています。新課程科目の取り組み方に迷ったら、まずは現状の理解度と志望校の配点を一緒に整理するところから始めてみてください。
