古文を5月から固める3ステップ学習法:助動詞・敬語・主語判定で高3が共通テスト古文を安定化させる
結論から言うと、古文は「単語をひたすら暗記」だけでは点が伸びません。本当に得点を分けるのは、助動詞の意味判別・敬語による人物関係の整理・主語の補い方の3つです。この3つを5月から順番に固めれば、共通テスト古文(50点満点)で安定して35〜45点を狙えます。本記事では、高3の今から夏前までに古文を「読める科目」に変えるための3ステップ学習法を、現場の指導でもよく使う手順でまとめました。
ステップ1:助動詞の意味判別を「型」で覚える

古文で最初に固めるべきは、単語ではなく助動詞です。共通テストの選択肢を見ると、本文中の助動詞をどう訳しているかで正解と不正解が分かれる問題が毎年複数あります。
覚えるのは「接続・活用・意味」の3点セット
たとえば「る・らる」なら、未然形接続・下二段活用・意味は受身/可能/自発/尊敬の4つ。「べし」なら、終止形接続(ラ変は連体形)・形容詞型活用・意味は推量/意志/可能/当然/命令/適当の6つ。教科書や薄い古文文法書で構いませんので、まずは助動詞表を1枚にまとめ、毎日1分眺める習慣を作ります。
意味判別は「直前直後の手がかり」で機械的に
意味の判別はセンスではなく、ほぼ機械的なルールで決まります。「る・らる」が尊敬になるのは、上に身分の高い人がいて、下に「給ふ」などの尊敬語が来ない単独使用のとき。「べし」が意志になるのは主語が一人称、当然になるのは三人称が多い、といった具合です。文法書の解説を読むだけで終わらせず、例文に出会うたびに「なぜこの意味と判別できるか」を10秒で言語化する練習をしましょう。
目安は2週間で主要23語
主要な助動詞は「る・らる/す・さす・しむ/ず/む・むず/じ/まし/まほし/き・けり/つ・ぬ/たり・り/なり(伝聞推定)/めり/らし/べし/なり(断定)/たり(断定)」あたり。1日2語ペースなら2週間で一巡できます。完璧を目指さず、1巡目はざっくり、2巡目で意味判別、3巡目で例文に当てはめる、と段階を分けるのが効率的です。
ステップ2:敬語で「誰が誰に何をしたか」を可視化する

古文が苦手な人ほど、本文を読み終えても「結局誰の話だったのか分からない」と感じます。原因は主語の省略と、敬語による人物関係の見落としです。
古文敬語は「方向」を読む道具
現代語の敬語は丁寧さの度合いを示しますが、古文の敬語は「動作の方向」を矢印のように示すマーカーです。尊敬語は動作主を高め、謙譲語は動作の受け手を高め、丁寧語は読み手・聞き手を高めます。たとえば「給ふ(尊敬)」が使われていれば、その動作の主は身分の高い人。「奉る(謙譲)」なら動作の受け手が高貴な人物、というように、敬語1つで人物関係が見えてきます。
「最高敬語」と「二重敬語」で天皇・中宮を見抜く
「せ給ふ」「させ給ふ」「のたまはす」「聞こえさせ給ふ」のような二重敬語は、対象が天皇・中宮・皇后クラスであることを示します。源氏物語・大鏡など宮廷を舞台にした作品では、二重敬語が出てきた瞬間に「ここは中心人物の動作」と確定できます。これを知っているだけで、長文の主語特定が一段速くなります。
地の文と会話文で扱いを分ける
同じ敬語でも、地の文での敬語は「作者から登場人物への敬意」、会話文での敬語は「話し手から会話相手・話題の人物への敬意」と意味が変わります。本文を読むときは、まずカギカッコの中と外を意識的に区別し、地の文と会話文で敬意の主体を切り替える癖をつけましょう。
ステップ3:主語を補いながら短い文章を毎日10分読む

助動詞と敬語の知識がそろってきたら、最後は読解の実践です。古文は主語が頻繁に省略されるため、読みながら自分で主語を補えるかどうかが得点を左右します。
1日10分、本文1段落で十分
毎日まとまった時間を取る必要はありません。古文単語帳の例文、入試対策の短文集、共通テスト過去問の1段落など、150〜250字程度のテキストで構いません。重要なのは「量より頻度」。1週間に1度2時間まとめて読むより、毎日10分ずつ7日続けるほうが、文法知識が読解の中で自動化されます。
本文に「主語」を鉛筆で書き込む
読みながら、省略されている主語をその都度、鉛筆で本文に書き込みます。「給ふ」が出てきたら「(中宮)」、「奉る」が出てきたら「(中宮ニ)」のように。最初は誤読しても構いません。後で答えと照らし合わせると、自分が「動作の方向」をどこで読み誤ったかが明確になります。
音読でリズムをつかむ
古文は語順や係り結び、助詞の使い方が現代文と大きく異なります。音読を1日2〜3回入れると、自然と古文のリズムが身につき、初見の文章でも区切りが見えやすくなります。最初は意味が分からなくても構いませんので、教科書の名場面を声に出して読むことから始めましょう。
5月から始める高3向け1ヶ月モデル
無理のないペースで進めるなら、次のような1ヶ月配分が目安です。1〜2週目は助動詞表の暗記と意味判別の演習に集中、3週目から敬語の体系を整理、4週目に主語補いを意識した読解演習を入れる――この順番で進めると、文法知識が読解の中で実践的に結びつきます。夏休みに入る頃には、共通テスト古文の本文を1回通読しただけで6〜7割は内容を理解できる状態を目指せます。
まとめ:古文は「型」で読む科目
古文の得点は、暗記量ではなく「型をどれだけ使いこなせるか」で決まります。助動詞の意味判別、敬語による人物関係の把握、主語の補い――この3つを5月から地道に積み上げれば、共通テスト古文は確実に得点源になります。模試で点が伸び悩んでいる人ほど、単語量を増やす前に、この3ステップに立ち返ってください。
勝つ塾では、生徒一人ひとりの志望校と現状に合わせて、古文も含む国語全体の学習計画を個別に設計しています。古文の伸ばし方に迷ったら、いつでも相談してください。
